クラウドの浸透シナリオ
3種類のシナリオ
経済産業省が主催する「クラウド・コンピューティングと日本の競争力に関する研究会」では、クラウドが浸透してゆくステップを、以下の3つに分類しています。先行企業の事例から分類していますので、ビジネスのどの部分でクラウドを活用し、どのようなメリットを享受しようとしているのか、自社の状況と照らし合わせて、参考になる分類です。
1. Incrementalなクラウド化
リスクの高いコアシステムのクラウド移行を段階的に進めるシナリオ。段階的に移行することで、ビジネスプロセスの変更のリスクを軽減します。

2. Radicalなクラウド化
コスト削減メリットが大きいため、クラウド移行が段階を飛び越えて進むシナリオ/システム調達をはじめからクラウドで行うシナリオ。キャンペーンサイトなどの一過性サービスや、資金基盤の乏しい中小企業、グループ企業内のシステム効率化を進める場合に、利用されています。
- 例
- 中小企業がコスト削減にSaaSを利用
- グループ企業内のシステム効率化にPaaSを導入
- 一過性サービスに利用
3. Creativeなクラウド化
BtoC分野で発展したサービスが、BtoB分野で活用されるケースです。例えば、ベンチャー企業のスタートアップではアクセス数の見込みが難しいため、高いスケーラビリティを誇る従量課金のパブリッククラウドをスタート時から採用する、といったケースがあります。
- 例
- ベンチャー企業のスタートアップ
- ユビキタスでの利用
クラウド採用の戦略
クラウドコンピューティングを、ビジネスプロセスのどの部分を担わせるかは、リスクと差別化の2軸で考えます。
差別化
クラウドのレイヤーが上位であるほど、カスタマイズが効きにくく、競争優位を確保しにくくなります。また、上位であるほど非対称性が強く、パッケージソフトと同様、一度、ビジネスプロセスやシステムを依存させてしまうと、変更が難しいものです。コア業務は、競争優位を確保するため、カスタマイズが利きやすい、自社開発(オンプレミス)、PaaS、HaaSからの選択が候補となります。一方、コア業務以外のコンテクスト業務は、SaaSを利用することで、効率性が最大化します。
リスク
システム停止した場合、事業上のリスクにおける、深刻さの度合いです。現状提供されているクラウドコンピューティングサービスのSLAは、価格性能比が重視されており、エンタープライズ用途からみると、従来のサービスと比較するとまだ十分ではありません。オンプレミスやプライベートクラウドで、自社の求める要件に十分なサービスレベルを担保した構成でシステムを運用し、リスクを最小化します。









